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写性 …SHASEI…
第40章 薔薇の絵
私がお父様とやり取りしてる間に、いずみさんがソファーから降りて四つん這いになり、そこから離れた。
正座して見上げてくるいずみさんが、何故離れようとするのかわからず固まってしまった。
「沙絵様、失礼しました。」
いずみさんは頭をさげ、視線を反らして方向を変え、四つん這いで進み出した。
「いずみ」
お父様も引き留めたが振り向かなかった。
どうして、何故、今?
いずみさんの行動が掴めない。
そしてそのまま進んでく。
「待って…おかっ…いずみさん、何故帰るの?」
思わず引き留める。心の中で呼んでいたお母様とつい口に出る。
「部屋を出るまでは奴隷よ。答えなさい。」
それも無視して進もうとする。
「また逃げ出すの?私を置いて…」
いずみさんはそれでも答えない。私は素直に言葉にしているのに…
「あはっ、あははっ、あははははははっ」
悲しいのに笑いが出る。
そして引き留める必要がないことに気づいた。
いずみさんは気づいてないようだが…