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写性 …SHASEI…
第40章 薔薇の絵
美しい。まずはそれだけだった。

出産と歳を重ねて丸みを帯びた体、そのものはとても美しいとは言えない。

沙絵さんが細かく編んだ縄目、縛るという行為は正常でないかも知れない。
でもあれだけの時間を費やして出来上がった作品は、もう趣向でなく芸術だ。


淫靡さを纏いながらも、創作力と支配欲を形に変えた芸術品だった。

その縄目に囚われ、纏い、内からの欲を掻き出されたワタシを先生は絵にすることで愛してくれる。


最初にモデルになってから、触れたい、愛し合いたいと、筆に託して絵を描いていたとおっしゃられた。


あのときのままの情熱をこの絵から感じた。

大丈夫、きっと先がある。
ワタシは絵をみて思ったのだ。


そして自分の体を見ると、まだ残された縄化粧にしっかりと体が反応していた。


この細かな縄目が沙絵さんの愛情で、ワタシに此処にいて欲しいというメッセージなのではないか。
そんな風にすら思えた。

次に沙絵さんの写真を見る。

やはり淫らな姿を写したものには変わりないが、立派な芸術なのだ。

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