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写性 …SHASEI…
第40章 薔薇の絵
女性の感性なのか、どこか美を追求していることが窺える。
ピント合わせなのか、現像技術なのか、
ぼやけた部分と鮮明な部分が伝えたいことを明らかにしていた。
最初に撮られた背面の写真と前面の写真。
それは、先生の続き絵の、芍薬と牡丹を連想させた。
背面の写真は迸る欲を表し、その背中は男を誘っていた。
それに対して前面の姿は、恥じらいながらもしっかりと欲を孕んでしまい俯き気味の女の内面を写していた。
血は繋がらなくても、父娘なんだな。
手段も何もかも違うのに、感性はこんなにも似ているんだ。
離れられない強い繋がりがあることを感じた。
支度を終えてアトリエに迎えにいく。
いずみさんは私の作品を見ていた。
「いずみさん、こっちへきて。」
いずみさんを応接間に案内する。
「無駄に広い屋敷よね。」
キョロキョロしているいずみさんに話しかけた。
「どうぞ」
「早くお掛けになって…」
「こんな格好では…」
「あら、奴隷は裸が正装よ。昔は皆そうだった。
人間の下層と思ったら間違いよ。人間より下の生き物、別の種族なのよ。」
「いただきます。」
ピント合わせなのか、現像技術なのか、
ぼやけた部分と鮮明な部分が伝えたいことを明らかにしていた。
最初に撮られた背面の写真と前面の写真。
それは、先生の続き絵の、芍薬と牡丹を連想させた。
背面の写真は迸る欲を表し、その背中は男を誘っていた。
それに対して前面の姿は、恥じらいながらもしっかりと欲を孕んでしまい俯き気味の女の内面を写していた。
血は繋がらなくても、父娘なんだな。
手段も何もかも違うのに、感性はこんなにも似ているんだ。
離れられない強い繋がりがあることを感じた。
支度を終えてアトリエに迎えにいく。
いずみさんは私の作品を見ていた。
「いずみさん、こっちへきて。」
いずみさんを応接間に案内する。
「無駄に広い屋敷よね。」
キョロキョロしているいずみさんに話しかけた。
「どうぞ」
「早くお掛けになって…」
「こんな格好では…」
「あら、奴隷は裸が正装よ。昔は皆そうだった。
人間の下層と思ったら間違いよ。人間より下の生き物、別の種族なのよ。」
「いただきます。」