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写性 …SHASEI…
第45章 旅立ち
「カメラのショルダーバンドだよ。」

広げると赤色で『Sae 沙絵』と名前が織り込まれていて、日本とアメリカの国旗のワッペンがついていた。

「これってわざわざ…」

「そう、オーダーメイドだよ。」

「あ、ありがとう。可愛い色。」

「沙絵の色だよ。」

「私ってピンクのイメージ?」

「うん、沙絵はいつも花の香りがする。ここの花の香りかな。」

「そ…う…」

「タオルとリストバンド、サッカーで使うものをプレゼントしてくれたでしょ。
だからカメラに使うものと思って。」

「本当にありがとう。」

「まあ、いつも沙絵と一緒にいるお守りだな。」

「頑張るね。」

「ああ、頑張れよ。

おじさん、知らせてくれて、時間を作ってくれてありがとうございました。」

英会話スクールでの出会いは最悪だと思った。
でも本当に毎日、休みのプリントを届けに来たり、一緒に登下校したりしてくれた。

「沙絵、いつもバタバタで悪いんだけど、寮の夕飯までには帰ることになっててさ。
そろそろ帰らなきゃならないんだ。」

「そうなの?
忙しいのにどうしてそこまでして…」

「と、友達だろ?俺たち…
これからもずっと友達だろ?」

「うん。」

門まで翔を送る。
どこに行っても友達。心強かった。
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