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写性 …SHASEI…
第46章 出会い
トムはファイルを受け取り見始める。

「これは花?」

「そう、曼珠沙華、彼岸花とも言います。」

「花火みたいだね。」

「そう感じたので、そう見えるように撮りました。」

「ほう。暈してない写真はないの?」

「ふふっ次にありますよ。」

「何故笑う?」

「そう思うだろうと思って撮ってあるので、そのままの反応を示してくれるから。」

「お〜ますます面白い。では解説無しでしばらく見せてもらうよ。」

トムは上着の内ポケットから付箋紙を取り出して腿に置き、ファイルを食い入るように見始めた。

ふと窓を見ると、東京湾の美しいカーブが夜景に縁どられていた。

「綺麗…」

私はカメラを構える。

トントン…

トムに肩をつつかれ、NOのジェスチャーをされる。
私はOKのサインとシーっと合図した。

サイレントモードに切り替えシャッターを押す。

「君、それ…」

「トムの国のよ。音がしないから大丈夫。
トム、読書灯、ライトを消してくれる?」

窓ガラスが反射して思ったものが撮れない。

トムは私たちの前後の座席にまで声をかけてくれて、暗くしてくれた。

おかげで思い通りの写真が撮れる。
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