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写性 …SHASEI…
第46章 出会い
「ありがとう。」

トムは前後にも声を掛ける。

「君は報道関係のカメラマンになりたいの?」

「いいえ、撮りたいものを撮る時に音が邪魔だから、映像に音はいらないもの。

でも人を撮る時にあえてシャッター音があった方がいいときもあるでしょう?」

「そうですね。そうなるとフィルム式ではこのカメラしかない。」

「そうなんですよ。だから、このカメラを作っているアメリカで…
あれ、トムはカメラのこと詳しいんですね。
カメラマンですか?」

「いや、違うけどね。沙絵、これは君の学校?」

「はい。」

「怖い学校だね。」

「あははっ…」

それから付箋紙のついた写真の花の名前を聞かれた。

「ねぇ、これは誰?」

「私の父です。」

お父様が絵を描く姿を撮ったものだ。

「アーティストなんだ。沙絵の一家は芸術一家なんだね。」

「一家といっても二人家族ですが。」

そのうち眠くなって寝てしまった。
英語で喋るのは疲れる。

「Sae…おはよう。」

まだ飛行機の中だった。
もう午後なのが変だ。

「Saeはカメラの学校入るの?」

私は留学先の校名を伝える。

「トムは仕事で日本に来たの?」

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