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写性 …SHASEI…
第46章 出会い
「ジョン、怒るなよ。Saeが驚くだろ?
帰ったら埋め合わせはするから…」

「俺が埋め合わせるからな。」

何だか所々会話が見えなかったが、痛みのせいで気を回せなかった。

「それにタトゥーは鼠径部だし…」

「鼠径部ならいいのか?Sae、出来上がったら俺にも見せろ。」

ジョンの黒い瞳にジロッと見られてドキッとした。

二人のことは頼もしいお兄さんと思っていた私は、そのうちに、いろいろと知っていくが、

今はズキズキと痛む刺し痕を、体が疼きと勘違いしていて、あまり集中していられなかった。

「Sae、寿司食べようか。」

怒ったふりだったようで、ジョンが優しく話しかけてくる。

「お任せで…」

「おい、オーナー、寿司のお任せって何のことだ?タコか?トロか?」

「あながちマグロのトロは間違いじゃないが…
お任せってのは、オーダーをお任せしますってことだ。」

「Sae〜アメリカでお任せなんて言ったら、何も出てこないぞ?

オーナー、Saeのお任せを頼む。

あと、マグロの解説を後程…」

「ジョン、マグロってのは、酔っぱらったボブ状態ってことだ。」

「ボブは酔っぱらったら何もしないじゃないか…」

「だから、でーんとして何もしないことをマグロっつうんだよ。」
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