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写性 …SHASEI…
第46章 出会い
三度目のマウストゥマウスで、細いながらも自発呼吸が見られ、僕はSaeの口に直接スプレーを当てて吸引した。

車を裏につけても訪れない二人に、スタッフルームへ向かえば、小さな丸椅子に座り、真っ青なSaeを抱きしめ、無理矢理スプレーを口に宛がうジョン。

僕が声を掛けて冷静さを取り戻したジョンが現役医師らしく指示を出した。


「車に乗せられるくらい落ち着いたかな。」

「ああ…」

ここにはソファーすらない。とりあえずSaeも落ち着いたし車に乗せることにした。

「僕も抜け駆けしたからさ…助手席はジョンとSaeに譲るよ。また発作を起こしたらジョンが対処しろよ。」

「ああ…」

「お前がしっかりしなくてどうするんだよ。」

「ちょっと妹のことがよぎって焦った。」

ジョンは孤児院まで一緒にいた妹を病気で亡くしている。

オペの執刀に向けて、カウンセラーに通い、完全に克服できたはずなのに…

Saeを思うあまりに妹とダブって見えたのだろうか。それだけSaeが大事ということだ。

シートを最大限に下げて倒し、ジョンがSaeを抱えて乗り込んだ。

「人間マットレスだね、ジョン。」

少し落ち着いたのでからかう。
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