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写性 …SHASEI…
第47章 Rose
私は黙って頷いた。
「妹は、たぶん、喘息とか気管支関係の病気だったんじゃないかな。
一緒に引き取って貰えたけど、それまでの放置のせいか、寝込みがちでね。
病院に行っても手当てのしようがない状態で、
次発作が起きたらヤバいって言われてた。
孤児院に入って2年もしないうちに発作から肺炎を起こして、呆気なく命を落としたよ。
まだ五歳になってなかった。
それから俺は必死に勉強して医者になった。
妹のように小さな命を失いたくなかったからね。」
「うん。」
「勉強ばかりして母親を憎んで、妹のことを思い出すと冷静じゃ居られない。
大学に入って当座の目標を果たした時、俺は人間的な感情の欠落した人物になっていた。
それを助けてくれたのがボブだったんだ。」
「うん…」
「その後、ボブに悲劇が起きてね。
恋人が火傷で顔にケロイドを負って、それを苦に自殺してしまったんだ。
ボブが形成医学を専攻したのも、結局医者をやめて彫師になったのもその影響なんだ。
俺はボブにしてもらった分ボブを支えてきた。
だからね。俺たちは本当に二人三脚で生きてきたんだよ。」
「だから双子みたいに仲がよいのね。」
「双子?」
「そう。」
「妹は、たぶん、喘息とか気管支関係の病気だったんじゃないかな。
一緒に引き取って貰えたけど、それまでの放置のせいか、寝込みがちでね。
病院に行っても手当てのしようがない状態で、
次発作が起きたらヤバいって言われてた。
孤児院に入って2年もしないうちに発作から肺炎を起こして、呆気なく命を落としたよ。
まだ五歳になってなかった。
それから俺は必死に勉強して医者になった。
妹のように小さな命を失いたくなかったからね。」
「うん。」
「勉強ばかりして母親を憎んで、妹のことを思い出すと冷静じゃ居られない。
大学に入って当座の目標を果たした時、俺は人間的な感情の欠落した人物になっていた。
それを助けてくれたのがボブだったんだ。」
「うん…」
「その後、ボブに悲劇が起きてね。
恋人が火傷で顔にケロイドを負って、それを苦に自殺してしまったんだ。
ボブが形成医学を専攻したのも、結局医者をやめて彫師になったのもその影響なんだ。
俺はボブにしてもらった分ボブを支えてきた。
だからね。俺たちは本当に二人三脚で生きてきたんだよ。」
「だから双子みたいに仲がよいのね。」
「双子?」
「そう。」