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写性 …SHASEI…
第2章 生い立ち
「そうだな。お前はお前だ。だけどお前と思ってるお前は元々母親の沙織なんだよ。」

「わからない…」

「そうだな、でも、大きくなったら、わかってくるよ。
だって、お前は沙織にそっくりだからね。」

「お祖父様なんか嫌い。」

「ほらほら、そんなところがそっくりだ。
沙絵ちゃん、お祖父ちゃんと二人きりになってしまったんだから、仲良くしようよ。」

「嫌だ。
私、名付け親に会いたい。」

「お前…どうしてそれを…」

「お祖母様から聞いた。毎日来るあの人に会わせて…
そうしなきゃ、お祖父様とはもうお話ししない。」


「お前…あいつに会ったら、それこそ、沙織の身代わりにされるぞ。
お前は沙織の生まれ変わりなんだから…」



私は、毎日3時にインターホンが鳴るのを、お祖母様の話を聞く前から知っていた。

話を聞く前は、自分には関係ないと思っていたけど、
聞いてからは、会いたい、一目みたいと思っていた。

だから、インターホンが鳴ると窓を開けて、その人が見えないか覗いていた。

お手伝いさんが毎日同じように断る。

その人は、
「沙絵に花だけでも渡してください。」

「このお人形だけでも…」

と毎日私へのプレゼントを持って来るのだ。
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