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第47章 Rose

｢帰らないわよ。あなたたち、帰ると思って期間限定の恋人にするつもりなの？｣

｢いや、帰るまでに帰りたくなくならせようと…｣

｢帰らないわよ。
私、アメリカ人になりにきたんだもの。

Iの国の人になるのよ。｣

｢愛の国？｣

｢いいえ、僕も私もないIの国よ。｣

｢なんだ。帰らないのか〜
良かった。じゃあ結婚してアメリカ人に早くなろう。｣

｢いや、Saeは俺と結婚するんだ。｣

｢さすがに、アメリカでも重婚出来ないでしょ？｣

｢１年おきに結婚しなおすか。｣

｢何回結婚するんだろう、私。｣

｢ギネス目指すか。｣

｢子供はどうなるの？｣

｢かわりばんこで生んで、皆で育てる？｣

見えない未来が見えてくる…
この二人といれば、楽しくどうにでもなるような気がした。

｢Sae、それより何を撮りたいか、決まった？｣

二人にはトムとの約束を話してあった。

｢まだ、とりあえずは私の記録撮影。｣

｢それでいいんじゃない？｣

｢はい？｣

｢今回のテーマは自分探しでいいんじゃない？｣

｢ずっと自撮というわけにはいかないでしょ？｣

｢Saeは一生同じテーマで撮るつもりなの？｣

｢Saeがいいと思ったものを撮って、Saeが撮ったものを見たいという人がいれば、十分なんじゃない？｣