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第47章 Rose

考えていても仕方ない。実践あるのみ。

二人には固定観念がなさすぎるし、私は自分で枠を作っている。

あの黒塀のそとに飛び出そうと思って出てきたのは、自分じゃないか。


二人には支えられてばかりだった。


｢沙絵さんて、あの和食ダイニングで働いているんですよね。｣

｢はい。｣

｢今晩、いってもいいでしょうか。｣

｢どうぞ。｣

語学スクールの唯一の日本人男性に言われる。

時々行き帰りに近くに来て話しかけてくる人だ。

誰から聞いたのか、バイト先の話になり、安易に答えた。

タトゥーを入れにボブのところに行ったあと、バイト先にいくと、彼がカウンターにいた。

｢こんばんは、ようこそ。｣

挨拶だけして、後は普通に接客する。申し訳ないが、彼はスクールでの唯一の日本人という以外、名前すら知らなかった。

やっぱり、日本食懐かしくなるよね。
彼が食事する姿を見て、そう思っていた。
彼は、予定があるのか、時計をしきりに見ていた。
そして、声もかけられずに彼は帰っていった。

変わった人、それかよほど日本食が食べたかったのね。

ボブとジョンが仕事で来られないと言われていたので、時折彼を気にしながらそう思っていた。