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第49章 出産

｢ありがとう。
それとお父様には送ったほうがいいのかなぁ。｣

｢見て欲しいならね。Sae、パパに全然連絡してないんだろ？｣

｢うん。｣

｢まぁ送るかどうかは、Saeが決めればいいけど、近況報告はしたほうがいいよ。｣

｢そうだよ。パパも心配してるよ？｣

｢うん、考えてみる。｣

ｺﾝｺﾝ…

｢あ、料理がきたよ。Saeは座ってて…｣

二人が受け取りにいき、手際よく料理が並べられていった。

｢Saeにはノンアルコールのシャンパンだよ。｣

｢じゃあ『乾杯』だね。｣

｢Sae、出版おめでとう。では…｣

｢｢乾杯〜｣｣

グラスのぶつかる音が心地よく響いた。

｢ありがとう。凄いご馳走ね。｣

｢だってSaeのお誕生パーティーだからね。｣

｢ん？｣

｢カメラマンのSaeのお誕生のお祝いだから。｣

｢就職パーティーでもあるし。｣

｢ありがとう。じゃあいただきます。｣

しばらくするとトムがやってきた。

｢Sae〜出版おめでとう〜｣

｢トム、出版してくれてありがとうだわ。｣

｢結構いい反響だよ。会社にも問い合わせが来てる。置いてない書店から置きたいと申し出が来たりしてるよ。｣

｢そうなんですか。｣

｢ビニールパッケージも効果を発揮してるね。｣