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第49章 出産

オペ室の扉が開き出てきたナースに聞く。

｢彼女は大丈夫ですよね？｣

ナースが俯いて、首を横に振った。

嘘だ。嘘だ。嘘だ。

そこからの記憶がない。

次の記憶は、ジョンの部屋で目覚めたところからだった。

｢ボブ…そろそろ学校に行こう。単位落とすよ？｣

｢学校？ああ、そうだな。単位落としたら彼女を待たせてしまうからな。｣

ジョンが言うには１ヶ月近く、寝てはﾎﾞｩｯと１日座ったままで、食事をしても話しかけても上の空でぶつぶつ訳のわからないことを言っていたという。

一人に出来なくて無理矢理自分の部屋に一緒に住まわせ、身の回りの世話をしてくれたらしい。

｢ボブ？彼女はもういないだろ？｣

｢何言ってるんだよ。
お見舞いに行かなきゃ。寂しがるからね。｣

｢ボブ、じゃあ一緒に行こう。｣

彼女の病室にいくと、部屋が変わったのか、彼女のネームプレートが無かった。

｢あれ、昨日彼女、部屋が変わるなんて言ってなかったのにな。｣

｢ボブ、いい加減目を覚ませ、昨日っていつだよ。｣

カレンダーを見ると一月先のものになっている。

｢あれ？なんで？彼女はどこの部屋に移ったの？｣

｢彼女のところに連れて行ってやる。｣