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第49章 出産

｢ジョン、病院が変わったのか？｣

車に乗り込み無言のままのジョンに僕は黙って助手席に座っていた。

都市部にありながら、その地区は戸建ての郊外風の街造りになっていて、高級住宅街として名の知れた街。

その公園で車を停めたジョンが無言のまま僕の手を引いていく。

丘陵を生かした花畑を登っていく。

｢ここにいるよ。｣

ジョンが指差すのは地面。
そこには真新しい墓石に彼女の名前が刻まれていた。

｢現実を受け止めろよ。ボブ。
俺が今までボブに支えられたように、支えていく。
ずっと一緒にいる。

思い出して受け止めろ。
彼女は死んだ。自殺だっただろう？｣


(ごめんね。)

(生きる目標を見失っちゃった。)

(生まれたままじゃないんだって…)

(夢は叶わないの。)


彼女の手紙が、彼女の声がする。

夢がなんだ。
生きる目標？
モデルを目指していたのは知っているさ。
でも僕は君にとって何だったんだ？
モデルじゃなくても、僕と生きる道はなかったのか？

｢あああああぁ〜
愛してる。
愛していたのに〜｣

｢思い出したか、ボブ生きるんだ。彼女の分も…
俺がずっと一緒にいる。｣