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第49章 出産

ワァアアアア〜…

僕は彼女の死を受け入れられなかった。

一生懸命目標に励む彼女が、モデルになれないと失望しているのに気づかなかった。
ジョンに治療が必要だと気づけたのに…


そして彼女の生き甲斐に僕の存在がなかったこと…
手紙の書き方は軽い話し言葉だった。
僕に打ち明けようと思わなかったのか。

ジョンが確認した話だと、彼女は眠れないと言って、睡眠導入剤を処方してもらい溜め込んで計画していたらしい。

なぜ、どうして、気づけず話も出来ず、会えないうちに居なくなってしまった彼女の死を僕はなかったことにしていたのだ。


ワァアアアア〜…

泣きたいだけ泣かせてくれて、声が枯れた僕を抱え上げてジョンが車に連れて行ってくれた。

｢カウンセリングに行くよ。今までもボブもかかってたんだけどね。｣

こうして僕たちは二人で治療していく。

今度はジョンが僕の保証人になっていた。

｢愛してる。｣

彼女の命日に墓石の前でジョンに告白された。

ジョンがﾊﾞｲｾｸｼｬﾙなのは知っていた。彼女以上の女性はいないし、その彼女に認められずに愛が終わった僕は女性不信になっていた。

｢ジョン、男同士の愛しかたはわからないけど、人としてジョンを愛してるよ。｣