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写性 …SHASEI…
第49章 出産
私は一人留守番をしながら手紙を書いていた。
もうすぐ美容師さんが来る時間だ。


「こんにちは、Sae、どんなスタイルにする?」

私は雑誌の切り抜きを見せる。

「ふぅぅ、もったいないね〜」

「似合わないかしら?」

「いやキュートになるとは思うけどね、別人になるよ。」

髪をとかして後ろの襟元で束ねられ、その上をザクザク切っていく。

「二人が泣いたらこれを持たせてやればいい。」

そう言って毛束を渡された。

「さらに切るけど、本当にあれでいいの?」

「はい。」

「まあ、また伸びるからね。」

生まれ変わる。今までのしがらみを切り捨てて新しい私になるような気分だった。

かなり短くした後は、軽くパーマをかけてカラーリング。


「スパイシーキュートだね。二人の顔が見たいけど、次の仕事があるから失礼するよ。」

美容師さんが帰ってから、改めて鏡に向かう。

髪を指で鋤いても、何も引っ掛からない。

ちょうど引っ越しのトラックが来た。家具はアトリエの鏡とテーブルと作業台だけ、荷物も元々少なかった。

引っ越し業者には顔を合わせないよう言われていた。せっかく住まいを変えるのだからとの徹底ぶりだ。

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