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第50章 出発

｢こんばんは、ｸﾞﾗﾝﾊﾟ、ｸﾞﾗﾝﾏ。｣

｢Sae…美しい…｣

｢髪を短くしたのね。｣

夫妻にハグされる。
二人はアメリカのお祖父様、お祖母様。
まだ少ししか一緒に生活していなかったけど、昨日一晩いなかっただけで、凄く寂しがっていた。

｢Sae…寂しいから次のステイの子を申し込んでいい？｣

｢いいわよｸﾞﾗﾝﾏ。｣

ジョンは白のタキシード、ボブは黒のタキシードを着こなしていた。

｢さぁさぁ、今日は天ぷらパーティーですよ。｣

二人にエスコートされて、夫妻がリビングに入る。
私はキッチンから食材を持ってきた。

皆でエプロンをつけてテーブルにつく。

シャンパンで乾杯した。

最初は私が揚げていたが、ｸﾞﾗﾝﾏやボブとジョンは自分でやってみたいと揚げ始める。

大家族の食事は毎日賑やかなんだろうな。

お父様と二人きりの食事が普通だった私には新鮮だった。

｢天ぷらってフライとまた一味違うわね。うちでもやってみようかしら。｣

｢和食って淡白な印象だったけど、そうでもないんだね。｣

｢海老が最高だね。｣

｢僕はやっぱり椎茸だな。｣

｢ホタテも美味しいですよ。皮の中で旨味が溢れてて、口の中で広がる感じが、｣

｢グレンさん『皮』じゃなくて『衣』というんですよ。｣