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写性 …SHASEI…
第50章 出発
「わがまま言ったっていいんだよ。ハニー」

チュッと両頬にキスされた。

そうね、気を遣いすぎたら二人だって窮屈よね。


こうして二人の生活に溶け込んでいった。
寝室は一緒だが、それぞれプライベートルームがあり、リビングで一緒に寛ぐこともあれば、部屋に籠ることもある。

私はプライベートタイムを英語の勉強や写真のことに使っていた。


数日後、プライベートタイムのあとリビングにいくと、ジョンがソファーでボブの肩を抱きお酒を飲んでいた。

ジョンとボブには男役、女役というような役割はないが、体格上ジョンが男役っぽく見える。

とは言っても、ボブも長身に細身の筋肉質の体つきで十二分に男なのだが…

二人は簡単なスナックを肴に音楽だけを掛け、酒を交わしながら何か話していた。


元々二人は恋人同士、耳元で囁いたりしながら、その視線は絡み合っていく。


ドアのない開放的なリビングの二人の様子に私は自室に戻りカメラを取りに戻った。

二人は私に気づいていないようで、酒に解されたボブがさらにジョンにしなだれているようにも見えた。

ジョンの肩を抱く指先もくるくると円を描いたり、撫でるように動き、慈しんでいる。

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