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写性 …SHASEI…
第53章 薔薇と百合
二人の腕は私の後ろで交差し、互いの腰まで届いている。

それで十分なんだと言う。


「やっぱり私、JBといるとナマケモノになっちゃいそうだわ。」

「「大丈夫、太る暇は与えないから…」」

「うっ…」

タクシーの運転手も臆せず、二人からキスされる。


「ん〜、早く帰って、シャワー浴びて、早くSaeを食べたい。」

「写真は撮るんだよ。ジョン…」

「わかってるよ。」




三人のカラーのガウンを羽織り、アトリエに行く。

二人はワインを持っていた。

「何で飲むの?」

「「緊張しちゃうから…」」

もっとも『らしく』ない返事が笑えた。


でも、ジョンがワインを一口含んでガウンのベルトに手をかける。

「善は急げ、俺、一番乗り〜」

子供がヒーローになりきって、マントを脱ぐみたいに、派手にガウンを脱いだ。

パッとガウンを椅子にかけ、黒豹の体が部屋を歩く。

私たちの視線を浴びても怯まない猛獣。

「どんどん撮ってよ、俺のナイスバディ♪」

思わず見惚れていた私はカメラを構える。

カシャカシャカシャ…

ジョンの動の逞しさを、背面を撮っていく。

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