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スローバラードを君に
第3章 Give us kiss?
「やったあ~!
片付けが終わったら、店の二階でやるからね?
早く来てね……?」
ユミは色っぽく笑い、事務所へ戻っていく。
俺はふう、と溜め息をついた。
ステージではトリの人気バンド
"シュガースパイス"
の演奏がクライマックスだった。
シュガースパイスは、インディーズデビューが決まって、ここでライヴをするのは今夜が最後らしい。
客達は熱狂して拳を振り上げてメンバーの名前を叫ぶ。
「ヒロヤ――っ」
「マサキ――っ」
「ヒロヤ――愛してる!」「抱いて――っ!」
ボーカルのヒロヤは銀色に近いまばゆいフワフワの金髪を指で掻き上げて客の方を向いて投げキッスした。
あちこちから悲鳴が起こる。
(……チャラチャラしやがって……)
俺は舌打ちした。

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