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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第5章 美少女は名監督?
「そういえばさ、こないだの紅白戦」

 思い出したように池内が言った。

「あの動きの悪さ、どうにかしなよ。調子悪かったのか?」
「ん…まあ、な」
「それでもなぁ。いくらなんでもブランクのあるあたしに抑えられてるようじゃ、この先が思いやられるぞ」
「悪かったよ」

 池内が、今度はシャツの胸元を引っ張って団扇でパタパタ。
 鎖骨の下の柔らかそうな曲線がわずかに見える。

「何見てんだよ」

 そんな俺の視線に気付いたか、いじめっ子みたいな声。
 扇風機を池内のほうに向けてやりながらも、俺はしどろもどろ。

「べ、別に…」
「あ、ははぁん」

 ニヤリ、といつもの調子で笑う。

「さては、あの時のこと思い出してたな?」
「違うよ…」
「口ではそう言っても下は正直ってね」
「あ…」

 あはは。楽しそうに池内が笑う。

 俺と言えば恥ずかしいやら情けないやらで体は縮こまってるのに、素直なムスコ君は池内の柔らかそうな膨らみを見て、持ち主とは逆に大きく大きくなっている。

 まあ、柔らかそうっていうか、柔らかいの知ってるんだよなぁ。
 その記憶がますますムスコ君を元気にさせている。

「ふぅん」
「な、何だよ」
「あたしとしたことを思い出して股間がパンパンで動けなかったんだな」
「違うってば」
「素直になれって」

 …確かに言い訳の出来る状況ではない。特に藤園君のフジゾノ君が。
 それでも、認めちゃうのって恥ずかしいじゃん。というか、カッコ悪いって言うか、意地みたいなものもあるじゃないか。

「ということは、だ」

 何だか色気のある流し目を俺に食らわせてくる池内。
 くそぅ、こういう時ってどうやって対処したらいいんだ? すっかり池内のペースじゃないか。

「今度は何だよ」
「キャプテンはだ、紅白戦のたびにエロいのを思い出して動きが悪くなるわけだな」
「う…そ、そうなる、のか?」
「それじゃあ困るだろ。お前キャプテンだろ」
「まあ一応な」
「分ってないな」
「何を?」

 ことん、とビールを床に置く。
 何だか真剣な池内の顔。
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