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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第8章 準決勝 武蔵西武戦
試合はその後も劣勢。防戦一方。
すっかり調子に乗らせてしまったか、勢いに乗って武蔵西武が攻める。全国大会にも出場経験のある武蔵西武は応援もトップクラスで、華やかな声援がさらに強く後押しする。
オーバーラップしてきDF永友のセンタリング。
このクロスは小久保の足元には合わず、井口がカットするも、MF松田がそこに詰め寄る。
そこにペナルティエリアの中まで下がったヒデがスライディング。ボールをタッチラインの外へと出した。
「ナイス、ヒデ」
「うん」
「さすがに強いな。ここまで防戦一方になるなんて思わなかった」
「そうだね。でも強いといっても想像以上じゃないよ。このペースで攻め続ければ必ず疲れるさ。
こっちは池内さんに走りまくらされたからね。体力負けしない限りいつかはこっちのペースになるよ」
全く、ヒデって奴は。
普段は大きな声も出さないし自己主張も少ないくせに、サッカーになると途端に強気になる。
よくよく考えれば、強気采配の池内とはいいコンビなのかも。その分俺達はきついけど。
それに、そうだ。美緒ちゃんの揃えてくれた資料に、永友のクロスの精度のことが書いてあったはずだ。
確かに前への推進力はすごい。でもラストパスに正確さを欠く。
そこが俺達の攻めどころでもあったはずだ。
そこから、これまでの試合で研ぎ澄ましたカウンターを狙う。
どうやら俺も準決勝で因縁の相手、というシチュエーションに舞い上がっていたみたいだ。
落ち着け。大丈夫。俺達はまだ戦える。
しかし前半はそのままチャンスらしいチャンスを作ることがほとんど出来なかった。
何度か攻め込むも武蔵西武の守備は厚く、ことごとく跳ね返された。
終了直前、ヤマがシュートを放つも、GK川嶋の手に弾かれポストの外へとボールは転がっていった。
それでも何とか一点差で前半を終えた。
すっかり調子に乗らせてしまったか、勢いに乗って武蔵西武が攻める。全国大会にも出場経験のある武蔵西武は応援もトップクラスで、華やかな声援がさらに強く後押しする。
オーバーラップしてきDF永友のセンタリング。
このクロスは小久保の足元には合わず、井口がカットするも、MF松田がそこに詰め寄る。
そこにペナルティエリアの中まで下がったヒデがスライディング。ボールをタッチラインの外へと出した。
「ナイス、ヒデ」
「うん」
「さすがに強いな。ここまで防戦一方になるなんて思わなかった」
「そうだね。でも強いといっても想像以上じゃないよ。このペースで攻め続ければ必ず疲れるさ。
こっちは池内さんに走りまくらされたからね。体力負けしない限りいつかはこっちのペースになるよ」
全く、ヒデって奴は。
普段は大きな声も出さないし自己主張も少ないくせに、サッカーになると途端に強気になる。
よくよく考えれば、強気采配の池内とはいいコンビなのかも。その分俺達はきついけど。
それに、そうだ。美緒ちゃんの揃えてくれた資料に、永友のクロスの精度のことが書いてあったはずだ。
確かに前への推進力はすごい。でもラストパスに正確さを欠く。
そこが俺達の攻めどころでもあったはずだ。
そこから、これまでの試合で研ぎ澄ましたカウンターを狙う。
どうやら俺も準決勝で因縁の相手、というシチュエーションに舞い上がっていたみたいだ。
落ち着け。大丈夫。俺達はまだ戦える。
しかし前半はそのままチャンスらしいチャンスを作ることがほとんど出来なかった。
何度か攻め込むも武蔵西武の守備は厚く、ことごとく跳ね返された。
終了直前、ヤマがシュートを放つも、GK川嶋の手に弾かれポストの外へとボールは転がっていった。
それでも何とか一点差で前半を終えた。