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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第9章 秋津高校サッカー部
 学校の反応が概ね好意的であるように、俺達の心もなぜか爽やかだった。
 負けた悔しさは、もちろんある。あるんだけど、清々しいような、そんな気持ちが大きい。
 大会前、死ぬほど練習した。試合も全力で戦った。限界なんてどこにあるのか分らないけど、限界まで俺達は頑張った。努力した。

 その結果が負け。

 全てを出しても届かなかった。試合が終わった後の俺達は本当に空っぽだった。

 そこまで頑張ったことが今まであっただろうか。
 まだ高校生。でも、もう十七年も生きている。

 その中で、ここまで限界を求めたことがあっただろうか。

 きっとない。いや、絶対にない。

 そこまでやった結果だから、悔しくはあっても胸を張れる。文句があるならお前らが俺達と同じことをやってみろ。そんなふうに言える。

 でもなぁ…

「全国、行きたかったな」

 空が青い。今日もいい天気だ。試合の疲れがまだ抜け切っていないけだるい体に、暖かい太陽が心地いい。

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