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第9章 秋津高校サッカー部

　テレビの前で騒いでいるヤスは大阪仕込みのたこ焼き屋をオープンさせ、今では複数の店舗を経営するまでになっている。
　同じ飲食店経営という立場で、大人の会話もするようになった。十年経った今でも変わらず俺の親友であり続けてくれている。

　オカはあの後、陸上少女と淡い恋愛関係にあったようだが、お互い奥手だったためか高校卒業後、自然消滅した。
　数年前、別の女性と結婚した。お相手は何とお金持ちのお嬢様。オカの優しい雰囲気が魅力だったのだそうだ。
　今ではお養父さんの会社を継ぐために、いろいろと勉強中だそうだ。
　大変だけど楽しいよ。
　そう言って笑った顔がとても印象的だった。

　ヤマも夏ちゃんと結婚した。夏ちゃんはテレビアナウンサーになり、サッカーの知識を活かしてスポーツ中継なんかでよく顔を見る。
　ヤマは社会人リーグに所属するサッカー部を持つ企業に就職し、そこのサッカー部のエースとして活躍している。セミプロ選手ではあるものの、ずっとサッカーを頑張っている。

　イソは大学でもサッカーを続けた。将来を期待されたが怪我が元で引退してしまった。
　今は何を思ったかどんな奇跡でか、ロシアで日本蕎麦を打っている。寒い国で安くて暖かい蕎麦は人気なんだそうだ。
　今度俺も食べてみたい。

　タモツと本多はセンターバックとしてのコンビで相性がよかったのか、何と二人でお笑い芸人になった。
　未だにテレビで見かけることはほとんどないが、ネタはなかなか面白い。
　いつかスターになるのを楽しみにしているぞ。こないだ書いてもらったサイン色紙はずっと貼っておくからな。