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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第2章 サッカー部快進撃! からの…
「いやぁ、おいしいね、ここの料理」
「いやいや。安いのと量が多いのだけが取り柄の店だよ」
中井君は本当においしそうにチキンカツを頬張っている。
「うん、でもちゃんとした料理なんて久しぶりだしさ。手料理なんてほんとしばらく食べてないな」
「え? どういうこと?」
「うん、僕さ、静岡から急にこっちに一人で来たからね。親は静岡だし、食事はいつも適当に済ませてるんだよね」
「一人暮らしなの?」
うん。中井君はひとつ息を吸った。
「急な転校だったからね」
「あのさ、中井君の、その…」
「転校の理由?」
「うん…ごめん、言いにくいよな」
「いや、いいよ」
いつの間にか、みんなの食べる手が止まっている。みんな中井君の転校の理由が知りたかったんだ。
でも、聞けなかった。
だって、何か事情があると思うじゃないか。
静岡から埼玉の、しかも新設校に。サッカーの天才が一度も勝ったことのなかった弱小サッカー部に。
みんなの視線が集まる中、中井君は静かに語りだした。
「僕はね、静岡のサッカーの強い高校にいたんだ。中学でスカウトされて推薦で入った」
サッカー推薦かいな、とヤスが呟く。静かに、と目で合図するとひとつ頷いて座布団の上に座りなおした。
気持ちは分かる。
ただのサッカー好きな、サッカー少年なだけの俺達とは、はっきり言って人種が違う。
サッカー推薦。
俺達には縁のない言葉だった。
「中学では全国大会にも出たし、世代別の代表にも選ばれた。そして高校もサッカー推薦で入った。
でも僕は、そこで事件を起こしてしまったんだ」
「事件?」
「ごめん、詳しくは言いたくない。でも僕の起こした不祥事でサッカー部は活動禁止を言い渡された。これを回避するには僕がサッカー部を辞めるしかなかった」
思い返せば新人歓迎会の時、中井君は何かを言いかけた。
それが、これだったんだ。
「サッカー推薦で入ってサッカー部を辞めた。そんな僕には学校に居場所はなかった。
だから転校してきたんだ」
「いやいや。安いのと量が多いのだけが取り柄の店だよ」
中井君は本当においしそうにチキンカツを頬張っている。
「うん、でもちゃんとした料理なんて久しぶりだしさ。手料理なんてほんとしばらく食べてないな」
「え? どういうこと?」
「うん、僕さ、静岡から急にこっちに一人で来たからね。親は静岡だし、食事はいつも適当に済ませてるんだよね」
「一人暮らしなの?」
うん。中井君はひとつ息を吸った。
「急な転校だったからね」
「あのさ、中井君の、その…」
「転校の理由?」
「うん…ごめん、言いにくいよな」
「いや、いいよ」
いつの間にか、みんなの食べる手が止まっている。みんな中井君の転校の理由が知りたかったんだ。
でも、聞けなかった。
だって、何か事情があると思うじゃないか。
静岡から埼玉の、しかも新設校に。サッカーの天才が一度も勝ったことのなかった弱小サッカー部に。
みんなの視線が集まる中、中井君は静かに語りだした。
「僕はね、静岡のサッカーの強い高校にいたんだ。中学でスカウトされて推薦で入った」
サッカー推薦かいな、とヤスが呟く。静かに、と目で合図するとひとつ頷いて座布団の上に座りなおした。
気持ちは分かる。
ただのサッカー好きな、サッカー少年なだけの俺達とは、はっきり言って人種が違う。
サッカー推薦。
俺達には縁のない言葉だった。
「中学では全国大会にも出たし、世代別の代表にも選ばれた。そして高校もサッカー推薦で入った。
でも僕は、そこで事件を起こしてしまったんだ」
「事件?」
「ごめん、詳しくは言いたくない。でも僕の起こした不祥事でサッカー部は活動禁止を言い渡された。これを回避するには僕がサッカー部を辞めるしかなかった」
思い返せば新人歓迎会の時、中井君は何かを言いかけた。
それが、これだったんだ。
「サッカー推薦で入ってサッカー部を辞めた。そんな僕には学校に居場所はなかった。
だから転校してきたんだ」