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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第3章 蘇れ、サッカー部!
 その日の夜。またまた例によって『満腹亭』
 今後のミーティングと称して部員を集めた。

 今日の練習は散々だった。部活の時間だから、美緒ちゃんが「やりましょう」って言うから何となく練習をしてみたものの、誰も集中していなかった。

 それも仕方ない。

 負け続きのサッカー部とは言え、今までにないほどの大敗だった。まあ、今までこんな大負けするような強豪校と試合をしたことがなかっただけなんだけどね。
 練習中も校舎の窓から、グラウンドにいる他の運動部から、学校中のいたるところから溜め息交じりの視線を向けられているような気がしてしまった。
 多分気のせいなんだろうけど、注目されたことがない俺達が一躍注目の的になり、それを裏切ってしまった。そんな状況ではどんな視線も痛く感じてしまう。

 そして、エースの思いもよらない告白。

 練習とは名ばかりで、ゾンビの群れがわらわらと徘徊していたようなもんだ。
 ミラ・ジョボビッチが来たらあっさり全滅させられていただろう。

「池内さんもいつの間にかいなくなってましたもんね」

 もぐもぐと口を動かしながら一年生の本多が言った。

 そう、頭の痛いことがもうひとつ。
 ヤンキー少女を預かることになってしまったことだ。

 池内は結局、気が付いた時にはいなかった。
 ヤル気がないやつを俺にどうしろと言うのか。どうやって更生させたらいいのか見当も付かない。

 そして問題はもうひとつ。
 週末の練習試合だ。

 相手は県内屈指、全国への出場経験もある強豪、武北高校。
 今回も優勝候補の一角に数えられていたが、準々決勝でまさかの敗退。秋から始まる高校サッカーでいちばん大きな大会である冬の選手権大会の予選に向けて早くも動き始めている。

 その第一歩に選ばれたのが、もったいなくも俺達秋高サッカー部、というわけだ。
 準決勝まで進んだとは言え、この成績はマグレとでも思われているのだろう。自分達よりいい成績を出した相手を叩きのめして弾みをつけようと、そういう狙いか。

 問題は山積み。なのに腹は減るんだな。
 食欲なんてないよ、と思いながらも目の前に並んだ料理を見ると体がカロリーを欲しがった。
 まだまだ育てよ、俺の体。
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