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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第3章 蘇れ、サッカー部!
「武北か。勝ち目ないな」
言い切ったのはイソ。
「噛ませ犬ですかね」
今度は一年GK川崎。
以前の俺達ならご期待通り美味しく噛ませて差し上げるのだけど、今はそうはいかない。
と、言いたいところだが。
今の俺達はその「以前の俺達」よりもひどいかもしれない。
最近のゾンビはアグレッシブだからな、バイク乗ったりするからな。今の俺達はゾンビ以下だ。ろくに練習もしないのに腹が減って飯を食うだけの、腐れゾンビサッカー部だ。
「そうは言ってもやらなあかんで。学校でやるんやし見物もおるやろ。二試合続けて無様な負け方したら、ほんまに学校に居場所なくなるで」
「確かになぁ…」
再びどんよりとした空気が、今度は満腹亭に満ちる。
「でもさ、逆に考えればチャンスじゃないのかな」
自信なさそうな声でオカが言う。大人しくて内気なオカはいつも声が小さい。
「チャンスって?」
「うん…だから、もし強豪の武北に勝つことが出来れば、またみんなに期待してもらえたりとか…するかもなって」
「まあな。でも『勝てれば』だろ?」
「…うん」
クールなヤマが冷静かつ的確なツッコミを入れる。
無口な男、『ドラゴン』ことGKの松茂竜彦も頷いている。
確かにオカの言うとおり、勝つことが出来ればストップ安のサッカー部の株価も再び上がるだろう。
だけどもヤマの言うとおり、武北は勝つのが難しい相手だ。インターハイ予選での敗退を受けて是が非でも勝ちに来るだろう。
「せめてヒデが復活してくれればね」
俺の言葉にみんなの視線がヒデに集まる。
ヒデは今日部活には来なかった。夕食も遠慮する、と言ってきた。
そのヒデを強引に引っ張り出してきた。練習試合のこともあるし、ヒデみたいな天才選手をこのまま終らせるのはもったいない、というのもある。
もう少し正直に言えば、ヒデがいなくなってまた勝ち星に見放された弱々サッカー部に戻るのがイヤだった。
みんなの視線の中でヒデは居心地悪そうに体を縮みこませた。
言い切ったのはイソ。
「噛ませ犬ですかね」
今度は一年GK川崎。
以前の俺達ならご期待通り美味しく噛ませて差し上げるのだけど、今はそうはいかない。
と、言いたいところだが。
今の俺達はその「以前の俺達」よりもひどいかもしれない。
最近のゾンビはアグレッシブだからな、バイク乗ったりするからな。今の俺達はゾンビ以下だ。ろくに練習もしないのに腹が減って飯を食うだけの、腐れゾンビサッカー部だ。
「そうは言ってもやらなあかんで。学校でやるんやし見物もおるやろ。二試合続けて無様な負け方したら、ほんまに学校に居場所なくなるで」
「確かになぁ…」
再びどんよりとした空気が、今度は満腹亭に満ちる。
「でもさ、逆に考えればチャンスじゃないのかな」
自信なさそうな声でオカが言う。大人しくて内気なオカはいつも声が小さい。
「チャンスって?」
「うん…だから、もし強豪の武北に勝つことが出来れば、またみんなに期待してもらえたりとか…するかもなって」
「まあな。でも『勝てれば』だろ?」
「…うん」
クールなヤマが冷静かつ的確なツッコミを入れる。
無口な男、『ドラゴン』ことGKの松茂竜彦も頷いている。
確かにオカの言うとおり、勝つことが出来ればストップ安のサッカー部の株価も再び上がるだろう。
だけどもヤマの言うとおり、武北は勝つのが難しい相手だ。インターハイ予選での敗退を受けて是が非でも勝ちに来るだろう。
「せめてヒデが復活してくれればね」
俺の言葉にみんなの視線がヒデに集まる。
ヒデは今日部活には来なかった。夕食も遠慮する、と言ってきた。
そのヒデを強引に引っ張り出してきた。練習試合のこともあるし、ヒデみたいな天才選手をこのまま終らせるのはもったいない、というのもある。
もう少し正直に言えば、ヒデがいなくなってまた勝ち星に見放された弱々サッカー部に戻るのがイヤだった。
みんなの視線の中でヒデは居心地悪そうに体を縮みこませた。