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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第3章 蘇れ、サッカー部!
「タモツをかわした後、ディフェンスの背後から回り込むようにゴール前に行ったらよかったんや。ファーサイドが空いてたし、そしたらノーマークでボール受けれたで」
「ちょっと待って。ヤス君はそれが見えてたの?」
今度はヒデだ。少し驚いたような声を出している。
「見えてたで」
「でもヤス君は相手チームだから、ゾノが攻めている時にはいちばん遠くにいたはずだよね」
「そんなこと言われてもなぁ。何となくで分るんや」
「もしかしてグラウンドの上の敵味方の位置が分かるの?」
「何となくは、な」
「全体を上から見ているような感じ?」
「そこまではいかへんけど。ウイイレの画面下のレーダーみたいな感じかな」
ウイイレとは「ウイニングイレブン」という人気のサッカーゲーム。画面中央下に敵味方が違う色でどこにいるのか表示されるレーダーがある。
ヤスはそんなふうに敵味方の位置が分かるのだという。
それってすごくないか…?
敵味方合わせて二十二人の位置が、何となくでも大まかにでも分かるのって、どういう感じなんだろう?
「そうか…」
ヒデは何やら考え込んでいる。
「それにしても池内、お前見る目あるんやな。サッカー好きなんか?」
ヤスの問いに池内は「ふん」とまた鼻で笑う。
「何や?」
「今日の練習はもう終わりだろ。あたしは帰らせてもらうよ」
そう言って池内はキャプテンである俺に断りもなく、背中を向けてスタスタと歩き出した。
「勝手な奴やな」
「うん…ゾノ、片付けが終ったらみんなを集めてくれ。少し話したいことがあるんだ」
ヤスの言葉を受け流して、相変わらず考え込んだ様子でヒデが言う。
「おう、分かった。でも話って?」
「それはその時に。まずは片付けを終らせよう」
「ちょっと待って。ヤス君はそれが見えてたの?」
今度はヒデだ。少し驚いたような声を出している。
「見えてたで」
「でもヤス君は相手チームだから、ゾノが攻めている時にはいちばん遠くにいたはずだよね」
「そんなこと言われてもなぁ。何となくで分るんや」
「もしかしてグラウンドの上の敵味方の位置が分かるの?」
「何となくは、な」
「全体を上から見ているような感じ?」
「そこまではいかへんけど。ウイイレの画面下のレーダーみたいな感じかな」
ウイイレとは「ウイニングイレブン」という人気のサッカーゲーム。画面中央下に敵味方が違う色でどこにいるのか表示されるレーダーがある。
ヤスはそんなふうに敵味方の位置が分かるのだという。
それってすごくないか…?
敵味方合わせて二十二人の位置が、何となくでも大まかにでも分かるのって、どういう感じなんだろう?
「そうか…」
ヒデは何やら考え込んでいる。
「それにしても池内、お前見る目あるんやな。サッカー好きなんか?」
ヤスの問いに池内は「ふん」とまた鼻で笑う。
「何や?」
「今日の練習はもう終わりだろ。あたしは帰らせてもらうよ」
そう言って池内はキャプテンである俺に断りもなく、背中を向けてスタスタと歩き出した。
「勝手な奴やな」
「うん…ゾノ、片付けが終ったらみんなを集めてくれ。少し話したいことがあるんだ」
ヤスの言葉を受け流して、相変わらず考え込んだ様子でヒデが言う。
「おう、分かった。でも話って?」
「それはその時に。まずは片付けを終らせよう」