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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第3章 蘇れ、サッカー部!
サッカー部の部室に部員二十一人とマネージャーの美緒ちゃん。
梅雨時期の蒸し暑い中での練習後とあって、みんな少し汗臭い。
新設校のありがたさか、校舎の中に何と運動部用にシャワー室があったりもする。
でも、とりあえずシャワーは後にしてヒデの話を聞くことにした。
どうせ扇風機しかない部室に篭っていたらすぐに汗をかいちゃうしね。
「週末の練習試合に向けて、ひとつ提案があるんだ」
そんな中、ヒデが切り出した。
「提案?」
「うん。一人一人がもっと力を発揮できるようにフォーメーションを見直そうと思う。
もし僕がこないだみたいになったりしても、ちゃんと戦えるように」
ヒデの言葉にみんなが息を呑んだ。
フォーメーションの見直し、というのももちろん驚きだが「こないだみたいに」とは、自分で傷口をほじくり返しているようなもんだ。
それだけにヒデの決意が伝わってくる。
「でもフォーメーションの見直しって言っても、俺たちこれでずっとやってきたんだぜ」
「それは分かってる。じゃあ聞くけど、例えばオカ君をサイドバックにしている理由は何?」
「それは…」
足が早いから。そしてサッカー初心者だったから。
サッカー未経験で背の小さいオカには他にポジションがなかった。FWにするには背が小さくボディコンタクトが弱い上に、ヤスとヤマというFW一筋でやってきたツートップがいた。
MFで使うには足元の技術がなく、FWになれなかったのと同じ理由でセンターバックにも向かない。
つまりサイドバックしかポジションがなかった。
同じDFでもセンターバックは突破されたら失点に直結するけど、サイドバックならまだカバーが出来ると言うのもある。
オカのスピードなら攻撃参加した時に武器にもなる、と思った。
オカには少し厳しい言葉になってしまったかもしれないが、俺はそういうふうにヒデの質問に答えた。
「なるほどね。ならヤス君は? ヤス君がFWの理由は?」
「と言われてもな。俺はずっとFWやったからな」
「背も大きいしね、パワーもある。FWにぴったりじゃないか」
「そうだね。でもオカ君にもヤス君にも、もっと合うポジションがある」
そういってヒデはホワイトボードにフォーメーションを書き始めた。
梅雨時期の蒸し暑い中での練習後とあって、みんな少し汗臭い。
新設校のありがたさか、校舎の中に何と運動部用にシャワー室があったりもする。
でも、とりあえずシャワーは後にしてヒデの話を聞くことにした。
どうせ扇風機しかない部室に篭っていたらすぐに汗をかいちゃうしね。
「週末の練習試合に向けて、ひとつ提案があるんだ」
そんな中、ヒデが切り出した。
「提案?」
「うん。一人一人がもっと力を発揮できるようにフォーメーションを見直そうと思う。
もし僕がこないだみたいになったりしても、ちゃんと戦えるように」
ヒデの言葉にみんなが息を呑んだ。
フォーメーションの見直し、というのももちろん驚きだが「こないだみたいに」とは、自分で傷口をほじくり返しているようなもんだ。
それだけにヒデの決意が伝わってくる。
「でもフォーメーションの見直しって言っても、俺たちこれでずっとやってきたんだぜ」
「それは分かってる。じゃあ聞くけど、例えばオカ君をサイドバックにしている理由は何?」
「それは…」
足が早いから。そしてサッカー初心者だったから。
サッカー未経験で背の小さいオカには他にポジションがなかった。FWにするには背が小さくボディコンタクトが弱い上に、ヤスとヤマというFW一筋でやってきたツートップがいた。
MFで使うには足元の技術がなく、FWになれなかったのと同じ理由でセンターバックにも向かない。
つまりサイドバックしかポジションがなかった。
同じDFでもセンターバックは突破されたら失点に直結するけど、サイドバックならまだカバーが出来ると言うのもある。
オカのスピードなら攻撃参加した時に武器にもなる、と思った。
オカには少し厳しい言葉になってしまったかもしれないが、俺はそういうふうにヒデの質問に答えた。
「なるほどね。ならヤス君は? ヤス君がFWの理由は?」
「と言われてもな。俺はずっとFWやったからな」
「背も大きいしね、パワーもある。FWにぴったりじゃないか」
「そうだね。でもオカ君にもヤス君にも、もっと合うポジションがある」
そういってヒデはホワイトボードにフォーメーションを書き始めた。