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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第3章 蘇れ、サッカー部!
 ヤスは守備でも貢献する。
 相手のゴールキックやシュートを掴んだ相手GKのロングキックはグラウンドの中ほど、センターライン付近まで飛ぶ。
 持ち前の視野の広さで落下点を素早く読むと、空中で相手と競り合う。

 ヤスの背の高さは空中戦で有利だ。
 マイボールに出来なくても、少しでもボールに触れれば相手の攻撃を遅らせることが出来る。その隙に守備陣形を整えることが出来た。
 他にも相手のキーマンに対して厳しいチェックに行く。背も高く強いヤスの体はそこでも有利な状況を作る。一瞬相手の動きを止めることが出来た。
 何とか相手の攻撃に耐えられているのは、こうやってわずかな時間をヤスが稼いでくれているのが大きい。

 コーナーキックやフリーキックのセットプレイの時は、背の高い井口とヤスがハイボールを受け持つ。

 ヤスは攻守に渡って活躍した。

 新しいフォーメーションが提案された時、いちばん最初に噛み付いたのはヤス。そして最初にヒデに全てを預けたのもヤスだった。
 いろんなものを背負い、俺達の気持ちや期待までも背負ったヒデにサッカー部の再建を託すならば、とことん信じぬくべき。

 ヤスはそう言って新しいポジションへ適応するための努力を続けた。
 ストライカーとしてのプライドを捨て、ヒデへの信頼を態度と行動で示して見せた。

  
 秋高は何度も何度も攻め込まれ、ギリギリの所でこれを跳ね返す。

 そして、ついにチャンスがやってきた。
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