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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第3章 蘇れ、サッカー部!
この先制点には大きな意味がある。
サイドにボールを流したのはヒデだとはいえ、決定的な仕事をしたのはオカとヤマの二人だ。
攻撃の起点はヤス。相手からボールを奪ったのはタモツだ。
ヒデがコンバートした四人がそれぞれに活躍し自分の仕事をこなし、ヒデの力に頼らずに取った一点。
数少ない観客がざわめいている。
あのボロ負けしてボロ雑巾のようになっていたボロボロサッカー部が、県下でも名の知られる強豪校相手に先制点を上げた。
「ナイスシュート!」
そのざわめきの中、美緒ちゃんの澄んだ声がグラウンドを駆け抜けた。
結局、地力の差なのか前半終了間際に同点弾を浴びてしまったが、同点で前半を折り返した。強豪校相手に善戦している。
ハーフタイムにヒデが俺に目で合図を送ってきた。
分ってるよ、ヒデ。
俺はまだ仕事をしていない。コンバート組が見せたような、自分にしか出来ない仕事を。
後半。俺はやる。
「頑張れサッカー部!」
「まだ同点だよ! まだいけるよ!」
「死んでも勝て~!」
「振り向くな君は美しい!」
ハーフタイムが終わりグラウンドへ向かう俺たちの背中に大きな声援が浴びせられた。
驚いて振り返るといつの間にか増えていた秋高生徒の姿。どうやら最初から観戦していた生徒が予想以上の善戦と思わず熱くなる試合展開に、友達に連絡をして誘ってくれたらしい。
土曜日だからか、制服姿だけでなく私服の生徒も多い。
「ふん、みんなヒマやな」
言葉とは裏腹にヤスの口元は緩んでいる。
「これは頑張らないといけないね」
心底嬉しそうにヒデが言う。
応援の声はまとまりがなく、何を言ってるのかほとんど聞き取れなかったけど。
でも。
ありがとう。これで百人力だ。
大騒ぎするにわか応援団に振り向き、美緒ちゃんが音頭を取る。
「頑張れサッカー部!」
今度は揃った大きな声が、俺達を後押しした。
サイドにボールを流したのはヒデだとはいえ、決定的な仕事をしたのはオカとヤマの二人だ。
攻撃の起点はヤス。相手からボールを奪ったのはタモツだ。
ヒデがコンバートした四人がそれぞれに活躍し自分の仕事をこなし、ヒデの力に頼らずに取った一点。
数少ない観客がざわめいている。
あのボロ負けしてボロ雑巾のようになっていたボロボロサッカー部が、県下でも名の知られる強豪校相手に先制点を上げた。
「ナイスシュート!」
そのざわめきの中、美緒ちゃんの澄んだ声がグラウンドを駆け抜けた。
結局、地力の差なのか前半終了間際に同点弾を浴びてしまったが、同点で前半を折り返した。強豪校相手に善戦している。
ハーフタイムにヒデが俺に目で合図を送ってきた。
分ってるよ、ヒデ。
俺はまだ仕事をしていない。コンバート組が見せたような、自分にしか出来ない仕事を。
後半。俺はやる。
「頑張れサッカー部!」
「まだ同点だよ! まだいけるよ!」
「死んでも勝て~!」
「振り向くな君は美しい!」
ハーフタイムが終わりグラウンドへ向かう俺たちの背中に大きな声援が浴びせられた。
驚いて振り返るといつの間にか増えていた秋高生徒の姿。どうやら最初から観戦していた生徒が予想以上の善戦と思わず熱くなる試合展開に、友達に連絡をして誘ってくれたらしい。
土曜日だからか、制服姿だけでなく私服の生徒も多い。
「ふん、みんなヒマやな」
言葉とは裏腹にヤスの口元は緩んでいる。
「これは頑張らないといけないね」
心底嬉しそうにヒデが言う。
応援の声はまとまりがなく、何を言ってるのかほとんど聞き取れなかったけど。
でも。
ありがとう。これで百人力だ。
大騒ぎするにわか応援団に振り向き、美緒ちゃんが音頭を取る。
「頑張れサッカー部!」
今度は揃った大きな声が、俺達を後押しした。