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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第4章 男子の夏
部室裏は、校舎の工事中は資材置き場になっていた。
その時、積み上げた資材の一部が崩れプレハブ部室に直撃して、壁が少しずれた。それがサッカー部の部室だった。
その衝撃でサッカー部の部室の壁に、ほんのわずかな隙間が出来ている。知ってる人しか気付かない、小さな小さな隙間だ。先生達ですら気付いていないため、この隙間は放置されている。
元々壁が薄いプレハブ部室は夏暑く冬は寒い。隙間風くらい何ともなかったし、雨が入ってくるようなこともないから、俺達も特に気にしてはいなかった。
その隙間を池内は指差す。
何が見えるのか、と俺は素直にそこに顔を近づけた。
まだ委員会の時間で誰もいないはずの部室に、ふたつの人影が見えた。
部室の粗末なベンチに座って、こっちに背中を向けているのは一人の女子生徒。
小柄な体に長い黒髪。美緒ちゃんだろうか?
俯くように下げた横顔に髪の毛がかかっているので、顔がよく見えない。
男子生徒が一人。あれはヒデだ。
ヒデは女子生徒の足元にしゃがんでいる。
ビクン、と女子生徒が体を揺らす。女子生徒は足を大きく開いている。
そして、あれは何だろう? 女子生徒の太ももに何か白い布のようなものが引っかかっている。
俺はその女子生徒を美緒ちゃんだといつの間にか確信していた。
部室の壁の隙間は、新入生は知らない。新部員も、マネージャーも。そして、春から部員になったヒデも。
さらに言えばサッカー部の部室に出入りする女子は、俺の後ろにいる池内をのぞいて、一人しかいない。
いつかの妄想が俺の頭に蘇り、それが目の前の女子生徒の小さく震える背中と重なっていく。
また女子生徒の体が揺れ、小さな声が聞こえた。
「ん…ヒデさん…それ、恥ずかしすぎるよぉ…!」
いつか俺が妄想した、そのままの声が女子生徒の口からこぼれる。
短く繰り返す息に苦しくなったのか、顔を上げて大きく息を吸う。
横顔を覆っていた髪がサラサラと落ちた。
顔が見えた。
美緒ちゃんだった。
その時、積み上げた資材の一部が崩れプレハブ部室に直撃して、壁が少しずれた。それがサッカー部の部室だった。
その衝撃でサッカー部の部室の壁に、ほんのわずかな隙間が出来ている。知ってる人しか気付かない、小さな小さな隙間だ。先生達ですら気付いていないため、この隙間は放置されている。
元々壁が薄いプレハブ部室は夏暑く冬は寒い。隙間風くらい何ともなかったし、雨が入ってくるようなこともないから、俺達も特に気にしてはいなかった。
その隙間を池内は指差す。
何が見えるのか、と俺は素直にそこに顔を近づけた。
まだ委員会の時間で誰もいないはずの部室に、ふたつの人影が見えた。
部室の粗末なベンチに座って、こっちに背中を向けているのは一人の女子生徒。
小柄な体に長い黒髪。美緒ちゃんだろうか?
俯くように下げた横顔に髪の毛がかかっているので、顔がよく見えない。
男子生徒が一人。あれはヒデだ。
ヒデは女子生徒の足元にしゃがんでいる。
ビクン、と女子生徒が体を揺らす。女子生徒は足を大きく開いている。
そして、あれは何だろう? 女子生徒の太ももに何か白い布のようなものが引っかかっている。
俺はその女子生徒を美緒ちゃんだといつの間にか確信していた。
部室の壁の隙間は、新入生は知らない。新部員も、マネージャーも。そして、春から部員になったヒデも。
さらに言えばサッカー部の部室に出入りする女子は、俺の後ろにいる池内をのぞいて、一人しかいない。
いつかの妄想が俺の頭に蘇り、それが目の前の女子生徒の小さく震える背中と重なっていく。
また女子生徒の体が揺れ、小さな声が聞こえた。
「ん…ヒデさん…それ、恥ずかしすぎるよぉ…!」
いつか俺が妄想した、そのままの声が女子生徒の口からこぼれる。
短く繰り返す息に苦しくなったのか、顔を上げて大きく息を吸う。
横顔を覆っていた髪がサラサラと落ちた。
顔が見えた。
美緒ちゃんだった。