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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第4章 男子の夏
 内気な少年『オカ』こと岡島雅人。
 左MFにコンバートされ、チームのエースの中井の厳しい指導を受け、武北との練習試合では見事アシストを記録した。

 もっともっと上手くなりたい。

 岡島は努力の人だった。サッカーの練習のほかにもうひとつ、自分の特長を活かすための練習を始めた。
 今日がその初日。

「お待たせ」

 まだ生徒が登校してくる前の朝のグラウンド。
 岡島の前に立ったのは、同じクラスの女子、陸上部の升井絵梨菜。
 陸上少女らしく、細く引き締まった体を短い陸上用のパンツとTシャツに包んでいる。

「ごめんね、朝早くから」
「いいよ。私も朝練したかったんだ。一人だと寂しいもんね」

 岡島は陸上部の升井に頼んで走り方を教えてもらい、スピードに磨きをかけるつもりでいた。
 ちょっと、ほんのちょっとはこれをきっかけに升井とお近づきになれたらな、なんてことも、思ったかもしれない。

 ともかく。岡島の最大の武器はスピードだ。テクニックでも体の強さでもない。むしろそれらは他の部員と比べても劣るだろう。

 まずは誰にもかけないスピード。そして、それを試合中維持する体力。
 そのためには理想的な走り方を学ばなければならない。走りの専門家に知り合いはいない。だが、学校には陸上部がいる。升井は小学校からの短距離選手だった。

「じゃあ準備運動から始めようか」
「うん…あ」

 岡島は見てしまった。

 地面に座り込み、ストレッチの為に足を大きく開いた、その足の付け根。短い陸上用パンツの付け根から見えている、薄いピンク色の何かを。

 升井の下着だった。本人は気付いていない。細くしなやかな足を伸ばし、体を伸ばしている。
 背筋を伸ばそうと背中を反った胸に、陸上少女らしく薄い小さな膨らみの形が見えた。

 岡島は走った。股間の膨らみを悟られないために。
 並んで走る升井の小さな胸が揺れ、それを見てさらに元気になったオカジマ君を隠すため、これ以上元気にさせないため、岡島はさらに走る。走らざるを得なくなる。

 この日を境に、岡島の足は急速に磨かれていくことになる。
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