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面影
第2章 仮面



『棗くんと麗って似てるよね〜』


綾がお目当てのランチを食べながら
思い出した様につぶやく。



『そう?』


『うん!なんか雰囲気とか似てる!』


『ん〜ずっと一緒だからじゃない?』


『だって今日とか、棗くんと麗
同じ様なシャンプーの匂いしたし!』


綾がにやにやと話を進める。

綾には、棗との関係は話してない。
棗との関係は二人だけの秘密。
勘が鋭い綾には、何回かバレそうに
なったけど、何とかはぐらかして
今に至る。



『あ〜。シャンプーなくなったから
棗に借りにいったの。だからじゃない?』


『な〜んだ。てかほんと仲良しだよね!』


『ただの腐れ縁だよ。』


フゥっと心の中で、上手くはぐらかせた
ことに安堵する。
棗とはマンションも階が違うだけで
同じだったりもする。



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