この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
面影
第3章 出会い
- 旭side -
『渡邊社長。いつもご贔屓頂き、
ありがとうございます。
彼は、私の後輩の旭です。
今日は宜しくお願いします。』
『初めまして。旭理玖(アサヒリク)
と申します。宜しくお願いします。』
棗と旭が深々と頭を下げる。
『そんなかしこまらなくて、
大丈夫だよ。笹原くん。
いつもの感じで。』
人の良さそうな笑顔をうかべながら
いかにも高級そうなソファに
腰掛けた渡邊社長は、にやりと笑う。
『フッ。渡邊社長にはかないませんね。
少しはカッコつけさけてくださいよ。』
スッと目を細め、微笑む棗さん。
ほんとこの男(ヒト)の色気ときたら…。
ほら。今日も、お茶を出しに来てくれた
女子社員が見惚れてる。
置かれたお茶に気付き、
女子社員を見上げて
極上の笑顔で礼を言う。
『ありがとうございます。』
『い、いえっ///
失礼しますっ!!!』
あんなキラースマイル出せるの、
棗さんくらいだっての。
『では、本題に…
ん?旭。書類出してくれるか?』
『あっ、すみません!』
書類を慌てて鞄から出して
棗さんに手渡す。
棗さんは、男の俺から見ても
カッコイイ。憧れだ。
顔がいいだけじゃなくて
スーツの着こなしも、小さな小物も
いちいちセンスがいい。
仕事もできるし、性格もいいから
女が放って置かないのにも頷ける。
でもー。
棗さんは、特定の彼女を作らない。