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面影
第6章 家族



『彼女は、旭くんの告白に
なんて答えたの?』



〝じゃあ条件があります。
それを出来るなら
お付き合いさせて頂きます。〟



『女の清算以外に、
条件を出されました。』

『条件?』

『追い追い聞くと、
当時一緒ににここに来ていた男性は
養女にもらってくれた家の
言わば義理の父親でした。
義理の父親や、その家族は
すごく自分を大切にしてくれるし
大好きだけれど、
そばに居るのが辛いと。
だから、この家から出たいと。』

『それが…条件?』

『はい。どうして幸せな現状が
辛いのか。何故、家を出たいのかも
当時は分かりませんでした。』


〝家を出てもまたひとりに
戻るだけじゃないか。〟

〝いいの!無理ならあなたには
頼まないわ。〟

〝…わかったよ。ただ、
一人暮らしの家は用意できない。
俺の家だ。それでもいいなら、
いつ来たって構わない〟

〝…本当?〟

〝あぁ。〟



『でも。少しでも、彼女の
哀しみが減るのならってそれだけ
でした。次の日には、荷物を
まとめてキャリーバッグひとつで
やって来て今に至ります。』

『なんか…ドラマみたい…』

『でしょ??引っ越してからは
アルバイトを始めたり、
少しずつ過去を話してくれたりして
時間はかなりかかりましたが、
最近になってやっと本当の笑顔を
見せてくれるようになりました。』



そう言って、ワインを手に取り
ゴクゴクと流し込む。

『…っはぁ〜!美味い!』

『絶対飲み方まちがってる。
ビールじゃん。』

『緊張して、喉カラカラだったん
ですよ!こんな自分のこと話したの
初めてですよ。』

『フフッ。確かに、新鮮だった。』

『…似てるんです。棗さんも。』

『…えっ』

『…哀しい顔をして笑うから。
棗さんだけじゃない。貴女も。』


真剣な強い眼差しで見つめられると
何も言葉が浮かばなくなる。


『ねぇ。早瀬さん。
俺、棗さんも貴女も助けたい。
秘密、話してもらえませんか?』




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