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私の可愛い変態ペット
第4章 抗争演劇部

「誰だ、コイツ等?」
私と白川を交互に見ては首を傾げる面々が怪訝な顔で言った。
「お…おはよう…ございます……」
どうしようもない私は周りの様子を伺いながらも、とりあえず恐る恐る挨拶をした。
見つかってしまった以上無言という選択肢も無いし、半ば強迫的な挨拶だった。
沈黙なんてとんでもない。
この状況下でただ立ち尽くすだけだなんていたたまれない。
__ピンポーン
その時、日向家の家のチャイムが鳴らされた。
もちろんそれは犬を抱えたままお気楽な白川の手によってだ。
空気を読まない絶妙のタイミングに背筋が凍る。
「ちゃっちゃと済ませて学校に行きましょう…」
白川が平然と言っている。
まるで彼の目に映る世界には自分と私しかいないかのように、他の事は何もかもお構いなしだ。
呆気にとられたのは私だけではなさそうだ。
みんな固まって白川の振る舞いに注視している。
「どちら様ですか?」
インターフォンが入って、品の良い女性の声がした。
「おはようございます、奏恵さんのクラスメイトです」
「あらぁ、奏恵の?」
「はい、娘さんから『タチの悪いストーカー』にあっているから、ぜひ『友人の僕たち』に家まで迎えに来て欲しいと頼まれました」
事実のない事をいけしゃあしゃあと言う。
まあ、あながち『タチの悪いストーカー』ってのは間違ってない。
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