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私の可愛い変態ペット
第2章  下僕転校生





驚くほど白川が静かになった。


あの頃の白川に戻ってしまった様だ。


いつだって彼は静かにものを見ていた。


その身体のどこか奥深くの場所にいるように、自分が置かれた環境さえもどこか客観視して見ている節があった。


それをあの頃の私たちは自分たちには無いものだと悟っていたし、妙に大人びて末恐ろしく感じられていた。


自分の脅威となる人物を排除し、また、配下に置いて安心したいと思うのが人間だから。


だからクラスでみんなが彼を煙たがったのは、きっとそうだったのだと私は気付いていた。


私が彼に興味を持ったのは、彼が脅威だったからだ。


階段を上る間、彼は一度も喋らなかった。


B棟3階の西側隅の教室が演劇部だ。


私は演劇に詳しいわけではないけれど、うちの学校の演劇部はそこそこに優秀なのだろう。


よく校舎の外壁に演劇部の垂れ幕が下がっている。



「失礼します…」



「どうぞ」の声を待ってから、私たちは部室に入った。









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