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私の可愛い変態ペット
第2章 下僕転校生
どうやら部員三人による即興劇らしい。
パット見一発でさっきの先輩が『静かに』と合図した理由が解った。
三人のうち二人が剣を持って組み合い、死闘を演じている。
こんな緊張の場面の中、知らぬ顔で立ち話も出来ない。
「ほら、地獄の門が開いて使者がこちらを窺っている…」
こちらを指さして声をあげたのは、黒いTシャツの男子部員だった。
黒地にレントゲン写真かのような上半身の骨格がプリントされているもので、ハロウィンの骸骨衣装みたいで目立っている。
彼の痩せ型長身の体型がまた骸骨にぴったりだ。
どうやら『地獄の門』だとか『使者がこちらを窺っている』と言うのは、突然私たちが訪れるというハプニングをインプロに組み込んだものらしい。
「俺かお前か…負けた方を地獄へ連れ帰ろうと狙っているに違いない」
ははは…
骸骨の彼は下卑た笑いを洩らし、グィと手に持った剣を押した。
骸骨に組み敷かれた様にしているこの流れだと絶体絶命にある側の部員は、こちらも手に持った剣でなんとか押し返し、苦しいながらも応戦している。
こちらは女子部員だ。
彼女はピンクに白い大輪の薔薇が咲いた可愛らしいTシャツを着ている。
幼顔の彼女の雰囲気によく合っていた。
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