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私の可愛い変態ペット
第2章 下僕転校生
「困るんですよ、彼を殺されちゃぁ…」
白川の声のトーンが変わった。
媚びた声はどこへやらだ。
柔らかいままの言葉にどこか凄味がある。
窓の日差しから伸びる影がゆらりと揺れるだけで、背中がゾクリとした。
先程までペコペコと安売り頭を下げていたかと思ったが、ふと前髪を掻き上げる様にしたかと思うと、そこにいる白川はまたしても別人の誰かに変わっていた。
冷たい瞳に見下した目線。
ふてぶてしい態度。
時折見せる取って付けた様な笑みが逆に不気味に恐ろしく感じる。
なんだ。
何なんだよ白川は…。
怒りの感情を向けていた白薔薇も、まんまと逆転しほくそ笑んでいた骸骨さえも、白川を見てその表情を怯えた様に引き攣らせている。
「こっちも慈善事業で来てるんじゃないんですよ。〝さぁご自由に、どなたでも歓迎です"だなんて言うと思いました?」
圧倒的な力。
人知を超えた存在の底知れない闇の奥を覗き見たかのような気分になる。
それこそ人間ではない禍々しい何か。
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