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私の可愛い変態ペット
第4章 抗争演劇部
手を引いてみるけれど動かない。
押さえている白川の力が強いのだ。
指から腕へ、さらに上へ上へゆっくりと視線がなぞり私を見上げる。
物欲しそうな悪戯な顔。
何が犬だ…。
こんな意地の悪い顔をした犬がいるか。
バタン……
背中に走る倒れ込んだ衝撃。
床に私を組み敷く白川がうっとりとした瞳の色を眼鏡越しに向ける。
昨日敷いたばかりの新品のカーペットの匂いが近くに感じられた。
わからない。
本当の白川はどこにいるのか。
彼の真意は一体どこにあるのか?
全部本当にも見えるし、演技のようにも思えてくる。
幼いあの日のクラスメイト達のように白川の底知れなさを味わった気分だ。
「柚子葉様……、今度は顔を舐めても良いですか?」
白川の顔が近付いて来る。
吐息がかかるくらいの距離だ。
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