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私の可愛い変態ペット
第4章 抗争演劇部
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「嘘でしょ…」
日向さんの家を前に私は声を荒げた。
過保護な親に育てられた箱入り娘。
日向さんの事をそんな風に見ていた私の想像は、お金持ちのお嬢様。
城と見紛う大豪邸には大きな出窓に吹き抜け、太陽の燦々と注ぐバルコニーがあって、高い塀と柵に囲まれた広い庭園には咲き乱れる綺麗な花々。
ペットのゴールデンレトリーバーが駆ける青い芝と大きなプールなんてのを想像していた。
まあ、あながちお嬢様なのは間違いじゃない。
けれどこれじゃあ、お嬢様じゃなくて…。
大きな門の中に広がる和風庭園には、ただでさえ迫力のある人相の人々が、もの凄い形相で屋敷をうろついている。
カタギじゃない。
「八頭んとこのガキィ、今日はどんな手段で来やがる……」
辺りを見回しながら目をギラギラさせている。
「御嬢の部屋に忍び込むなんてふてえ野郎、取っ捕まえて八つ裂きだな…」
どうやら怒り心頭のご様子だ。
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