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クラス ×イト
第5章 ほころビ 【乾英太2】
「相談――?」
背の高い瀬山くんは、僕をまじまじと見下ろしている。
そうしてから――
「乾――お前って」
「な、なに……?」
「ま、いいか。それで、その相談とは?」
「うん。じゃあ、とりあえず座ろう」
とても強引だったけど、僕は何とか瀬山くんを足止めすることに成功する。僕は元の席に、瀬山くんと向き合って座った。
さっき瀬山くんが何て言いかけたのか、僕は何となくわかった気がする。「お前って、そんな奴だったか?」――たぶん、そんなことを言おうとしていたのだろう。
とにかく肝心なことは、ここからどれだけ粘れるかということ。三生が赤緒さんの席を離れるまで、僕は時間を稼ぐ必要があった。
しかし勢いで「相談」と言ってしまったが、何を話すのかはまるで決まっていない。
「えっと、何か飲まない?」
良かれと思いそう訊いたけど、それはヤブヘビだった。
「いい。ちょっと、人を待たせてるんだ」
瀬山くんはそう答え、辺りを見渡そうとしてる。僕は彼の気を逸らそうと焦る。
「それで――相談なんだけども」
「ああ……?」
瀬山くんの視線を戻すことには成功。けれども、僕の頭の中は真っ白。その結果。
「実は僕――好きな人がいるんだ」
僕は実際に悩んでいることを、打ち明ける羽目になっていた。
背の高い瀬山くんは、僕をまじまじと見下ろしている。
そうしてから――
「乾――お前って」
「な、なに……?」
「ま、いいか。それで、その相談とは?」
「うん。じゃあ、とりあえず座ろう」
とても強引だったけど、僕は何とか瀬山くんを足止めすることに成功する。僕は元の席に、瀬山くんと向き合って座った。
さっき瀬山くんが何て言いかけたのか、僕は何となくわかった気がする。「お前って、そんな奴だったか?」――たぶん、そんなことを言おうとしていたのだろう。
とにかく肝心なことは、ここからどれだけ粘れるかということ。三生が赤緒さんの席を離れるまで、僕は時間を稼ぐ必要があった。
しかし勢いで「相談」と言ってしまったが、何を話すのかはまるで決まっていない。
「えっと、何か飲まない?」
良かれと思いそう訊いたけど、それはヤブヘビだった。
「いい。ちょっと、人を待たせてるんだ」
瀬山くんはそう答え、辺りを見渡そうとしてる。僕は彼の気を逸らそうと焦る。
「それで――相談なんだけども」
「ああ……?」
瀬山くんの視線を戻すことには成功。けれども、僕の頭の中は真っ白。その結果。
「実は僕――好きな人がいるんだ」
僕は実際に悩んでいることを、打ち明ける羽目になっていた。