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クラス ×イト
第5章 ほころビ 【乾英太2】
 暫く間があってから、三生は静かに話を続けていた。

「もちろん、赤緒さんの『口の温もり』だけを、好きだなんて言ってないよ。僕は普段見えない彼女の『内側』を知ったんだ。英太くんも誰も、それは知らない。だから僕の気持ちだって、きっとわからないんだ」

「もうそれは、わからなくてもいいから。でも肝心な赤緒さんが、三生のこと拒否したんでしょ。それなのに、諦めないなんて――」

「今日は、突然過ぎたんだよ。僕はもっと、赤緒さんの気持ちを考える必要があったんだ。ううん、気持ちではなくて――『望み』なのかな」

「望み……?」

「それを僕が叶えれば、その時はきっと――」

 三生は独り言のように、そう言いながら僕に背を向けて歩き始める。


「三生……」

 遠ざかるひょろっとした後姿を見送り、僕はその場に立ち尽くしていた。
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