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クラス ×イト
第5章 ほころビ 【乾英太2】
※ ※
次の日の昼休み。僕は一人、廊下の窓から外の景色を眺めていた。
「……」
要二とも三生とも、顔を合わせる気がしない。どうして、こうなったんだろ?
形はそれぞれ違っているけど、僕ら三人は同じく恋をしてる。こんな時、励まし合ったり応援し合ったり、して。それが仲間じゃないのかな。そうできないのは、僕がいけないんだろうか。
『D3』って、結局は寄せ集めなの。だから、こんなにも脆くて……。
一つ一つの事象にちゃんと向き合えば、そんなに難しいことでもないのかもしれない。けれど今の僕の気持ちは乱れていて、冷静に考えられないでいた。
そんな処に――。
「よう」
そう声をかけて、傍らに立っていたのは――澤田裕樹。
中学時代の僕の――『元親友』だった。
「裕樹……?」
顔を向けた僕に、軽く笑みを浮かべ裕樹が言う。
「どうしたんだよ。相変わらず、冴えない面してさ」
それを聞いた時に、僕は何らかの臨界を迎えてしまったのかも。僕は両の拳をギュッと握り締め、裕樹の顔を睨みつけた。
そして――
「黙れ! 皆、みんな――勝手なことばかり、言うなよ!」
「え……英太?」
唖然としている裕樹を、その場に残し――。
僕は肩を怒らせながらツカツカと歩を進め、猛然と教室の中へ入って行く。