この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第6章 なりゆキ 【澤田裕樹】
その時の佳奈は、何か物憂げで……。俺は思わず、抱きしめてしまいたくなった。
だがそんなこと、できる訳ないだろ。佳奈は護の彼女で、しかも二人はもう……。
ふと裸で抱き合う二人の姿をイメージし、それが俺に強烈なダメージを与えてる。そんなことが嫌だから、今日は一人で過ごしたかったんだ。
それから、暫くした時だった。
「悪りーけど。俺たちちょっと用があるから、お先」
佳奈の手を引くと、護は突然そう言ってボックスを出ようとする。まだ時間は結構残っているのに、その様子は明らかに不自然だ。
「ちょと、護?」
連れ出されようとしてる佳奈も、困惑気味。
「だったら、もう皆で出ようか――」
俺がそう言って立ち上がった時、慌てて護が駆け寄る。そして俺の肩に腕を絡めると、佳奈たちに背を向けるようにして、何かヒソヒソと耳打ちしてきた。
「バーカ。茜と二人きりに、してやろうとしてるんだろ」
「は? そんなこと、頼んでねーし」
「わかれよ。お前だって、そろそろって気を使ってんの。茜なら悪くないだろう。それにアイツ、ああ見えて意外と――」
そう話す途中で、その茜が口を挟む。
「え、なぁに? 男同士で、仲良くしちゃってー」
「ハハ、別に――業務連絡ってやつ」
護は適当に茜をあしらうと、また俺への耳打ちを続けた。
「これは、俺なりの友情の証ってわけ。だから、後はしっかりやれよ」
護はそんなことを告げ、そのまま佳奈だけを連れ去って行く。
だがそんなこと、できる訳ないだろ。佳奈は護の彼女で、しかも二人はもう……。
ふと裸で抱き合う二人の姿をイメージし、それが俺に強烈なダメージを与えてる。そんなことが嫌だから、今日は一人で過ごしたかったんだ。
それから、暫くした時だった。
「悪りーけど。俺たちちょっと用があるから、お先」
佳奈の手を引くと、護は突然そう言ってボックスを出ようとする。まだ時間は結構残っているのに、その様子は明らかに不自然だ。
「ちょと、護?」
連れ出されようとしてる佳奈も、困惑気味。
「だったら、もう皆で出ようか――」
俺がそう言って立ち上がった時、慌てて護が駆け寄る。そして俺の肩に腕を絡めると、佳奈たちに背を向けるようにして、何かヒソヒソと耳打ちしてきた。
「バーカ。茜と二人きりに、してやろうとしてるんだろ」
「は? そんなこと、頼んでねーし」
「わかれよ。お前だって、そろそろって気を使ってんの。茜なら悪くないだろう。それにアイツ、ああ見えて意外と――」
そう話す途中で、その茜が口を挟む。
「え、なぁに? 男同士で、仲良くしちゃってー」
「ハハ、別に――業務連絡ってやつ」
護は適当に茜をあしらうと、また俺への耳打ちを続けた。
「これは、俺なりの友情の証ってわけ。だから、後はしっかりやれよ」
護はそんなことを告げ、そのまま佳奈だけを連れ去って行く。