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クラス ×イト
第6章 なりゆキ 【澤田裕樹】
一体、何なんだよ……人の気も知らねーで! 茜と二人残された俺は、ムカムカと胸糞が悪かった。
そして、一つ気がついたことがある。護が口にした『友情』という言葉。俺はそこに激く違和感を覚えていた。
高校に入学してから、俺が一番近くにいたのは確かに護だった。だが俺の本心では、アイツのことを友達だなんて、一度も思ったことはない。
その薄っぺらな関係を、今ようやく俺は思い知っていた。
俺の為とか言って、護は佳奈と早く二人になりたかったんだろ。そして、その後はたぶん……。
「くそっ!」
俺は茜が歌っているのも忘れて、思わずそう吐き捨てた。
それに気がついた茜は、歌うのを止め俺の隣りに座る。
「裕樹? どうかしたの」
「ああ、悪い。つい――」
「そぉ言えばさ、なんだか今日は――微妙に元気なくない?」
「あ、いや――何でもねーって」
茜がグッと顔を寄せてきたから、その近さに俺は焦った。
市原茜(いちはら あかね)――実を言えば俺は、この女が少し苦手。
いや、普段話してるだけなら、天然ぽい茜を可愛らしく思わなくもない。だがちょっと踏み込むと、そこに裏の顔が見え隠れする気がして……。
仮に茜がキャラを作ってるとしても、それを別に悪いとは言わない。俺だって中学時代とは違う自分になろうとしたんだから、人のことを否定したりできないだろうし。
だけど茜の――特に男の前の態度は、如何にもあざとく思うから。そんな処に、俺は少し引いてしまっていた。
そして、一つ気がついたことがある。護が口にした『友情』という言葉。俺はそこに激く違和感を覚えていた。
高校に入学してから、俺が一番近くにいたのは確かに護だった。だが俺の本心では、アイツのことを友達だなんて、一度も思ったことはない。
その薄っぺらな関係を、今ようやく俺は思い知っていた。
俺の為とか言って、護は佳奈と早く二人になりたかったんだろ。そして、その後はたぶん……。
「くそっ!」
俺は茜が歌っているのも忘れて、思わずそう吐き捨てた。
それに気がついた茜は、歌うのを止め俺の隣りに座る。
「裕樹? どうかしたの」
「ああ、悪い。つい――」
「そぉ言えばさ、なんだか今日は――微妙に元気なくない?」
「あ、いや――何でもねーって」
茜がグッと顔を寄せてきたから、その近さに俺は焦った。
市原茜(いちはら あかね)――実を言えば俺は、この女が少し苦手。
いや、普段話してるだけなら、天然ぽい茜を可愛らしく思わなくもない。だがちょっと踏み込むと、そこに裏の顔が見え隠れする気がして……。
仮に茜がキャラを作ってるとしても、それを別に悪いとは言わない。俺だって中学時代とは違う自分になろうとしたんだから、人のことを否定したりできないだろうし。
だけど茜の――特に男の前の態度は、如何にもあざとく思うから。そんな処に、俺は少し引いてしまっていた。