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クラス ×イト
第6章 なりゆキ 【澤田裕樹】
とりあえず、俺はズボンを履き。早く帰りたいな、なんて思ってる。
もう茜がどうこうとか、言いたい訳でも言えるはずもなく。とにかく、早く一人になりたかった。
「ええっ、ウソ!」
すると、自分の携帯を見て、突如そんな声を上げてるのは茜だ。
「どうしたんだよ?」
俺がそう訊ねると――
「ゴメン、裕樹! もう、帰って!」
茜はそう言って、顔の前で両手を合わせた。
「いや、そのつもりだけど」
「いいから、早く!」
「オイ……なんだよ?」
慌てる茜に手を引かれ、俺は戸惑いながらも玄関に向かう。
すると、その時だ。
カン、カン――と足早に階段を駆け上がる音。それを耳にして、茜の顔色が変わる。
「玄関はダメ。裕樹、こっちに来て!」
「わ、わかった」
珍しく慌てる茜の様子が、状況がわからない俺にも危機感を伝えた。俺は茜に指図されるまま、靴と鞄を手にしてベランダに出る。
調度その時、玄関の方から――カチャ――と鍵の開く音が聴こえていた。もう俺にしても、茜の慌てる理由を大よそ理解してる。
「いい? じっとしててね」
俺は黙ってコクリと頷き。ベランダのサッシが、パタンと閉じられた。
もう茜がどうこうとか、言いたい訳でも言えるはずもなく。とにかく、早く一人になりたかった。
「ええっ、ウソ!」
すると、自分の携帯を見て、突如そんな声を上げてるのは茜だ。
「どうしたんだよ?」
俺がそう訊ねると――
「ゴメン、裕樹! もう、帰って!」
茜はそう言って、顔の前で両手を合わせた。
「いや、そのつもりだけど」
「いいから、早く!」
「オイ……なんだよ?」
慌てる茜に手を引かれ、俺は戸惑いながらも玄関に向かう。
すると、その時だ。
カン、カン――と足早に階段を駆け上がる音。それを耳にして、茜の顔色が変わる。
「玄関はダメ。裕樹、こっちに来て!」
「わ、わかった」
珍しく慌てる茜の様子が、状況がわからない俺にも危機感を伝えた。俺は茜に指図されるまま、靴と鞄を手にしてベランダに出る。
調度その時、玄関の方から――カチャ――と鍵の開く音が聴こえていた。もう俺にしても、茜の慌てる理由を大よそ理解してる。
「いい? じっとしててね」
俺は黙ってコクリと頷き。ベランダのサッシが、パタンと閉じられた。