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クラス ×イト
第7章 アらガう 【堂林亮伍】
「お前さ……」
「なに、亮伍?」
「いや……」
俺はくだらないことだと思い、口に出すのを止めた。
赤緒礼華には適わない、なんて。たぶんそれは、海藤が一番わかっているはずだ。だからこそ「憧れ」という言葉にしていて……。
柄にもなくそんなことを考え、俺は不思議と胸がムカつく。いや、違うから。俺が怒っているのは、瀬山が練習に来ないからであって、それ以外の気持ちは断じてないんだ。
今、チームは大事な時。地区予選は、もう二か月先に迫っている。こんな時期に弛んでる瀬山に、俺が腹を立てるのも当然なのだ。
「ヨシ! 決めた」
「亮伍?」
「顧問やキャプテンが言わないんなら、この俺が――」
「どうする、つもり?」
そう言って首を傾げた海藤に、俺はこう言い放った。
「来週――瀬山の奴に、思い知らせてやる!」
「なに、亮伍?」
「いや……」
俺はくだらないことだと思い、口に出すのを止めた。
赤緒礼華には適わない、なんて。たぶんそれは、海藤が一番わかっているはずだ。だからこそ「憧れ」という言葉にしていて……。
柄にもなくそんなことを考え、俺は不思議と胸がムカつく。いや、違うから。俺が怒っているのは、瀬山が練習に来ないからであって、それ以外の気持ちは断じてないんだ。
今、チームは大事な時。地区予選は、もう二か月先に迫っている。こんな時期に弛んでる瀬山に、俺が腹を立てるのも当然なのだ。
「ヨシ! 決めた」
「亮伍?」
「顧問やキャプテンが言わないんなら、この俺が――」
「どうする、つもり?」
そう言って首を傾げた海藤に、俺はこう言い放った。
「来週――瀬山の奴に、思い知らせてやる!」